リーダーシップ111(ワンワンワン)

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リーダーシップ111 20周年記念シンポジウム
未来を拓く女性たちへ

リーダーシップ111 20周年記念シンポジウム「未来を拓く女性たちへ」

 平成26年11月18日(火)18時30分〜資生堂銀座ビル内花椿ホールに於いて、リーダーシップ111の20周年記念シンポジウムが開かれました。
 リーダーシップ111代表幹事高松和子のあいさつの後、NPO法人J-Win理事長内永ゆか子氏の基調講演でシンポジウムが始まりました。内永氏は、ダイバーシティ、とくに女性活用の必要性は、女性のためではなく、企業が変化の激しい、スピードの速いグローバル時代に生き残っていくための企業戦略である、と解きほぐしました。そして、なぜ優秀だと言われる女性が企業内で管理職につけないのか、大きく成長できないかの要因を3点挙げました。1つ目は、ロールモデルの不在、2点目はワークライフバランス、3点目はオールドボーイズ・ネットワークであるとし、その1つ1つについて説明するとともに、IBMで取り組んできた事例を下に、その解決策を提示しました。e-ワークのような企業側の体質改善やシステムの変更などから、女性自身の問題点まで多岐にわたりました。女性は組織の中でどう立ち居振る舞いをすれば良いかが分かっていない、ケンカ下手で「寸止め」ができないなど、数々の問題点を指摘するととともに、馬に乗ったら下りない、枕言葉をつけて発言するなど、これからのヒントや励ましの言葉がたくさんちりばめられていました。
 続いて内永氏を含めて、(株)日立製作所CSR・環境戦略本部本部長兼ヘルスケア社ヘルスケア事業本部本部長の荒木由季子氏、品川女子学院校長の漆紫穂子氏をパネラーに、そして立教大学経営学部教授国際経営学科長の尾崎俊哉氏のモデレーターで、パネルディスカッションが始まりました。
 パネルディスカッションでは、「未来を拓く女性たちへ」というタイトルにちなみ、まずは「未来はどうなるのか、その未来にわれわれはどう対応してゆくのか?」、続いて、「その未来を切り開く、新たなリーダーシップとは?」について、話し合っていただきました。パネラーの方々はこれまでの豊富な経験をもとに、それぞれの見解を披露くださいましたが、バックグラウンドの違う3名のパネリストだけに、3者3様の答えが出、時には反対意見もぶつけ合う大変エキサイティングなパネルディスカッションとなりました。詳しくは詳録を是非ごらんください。

講師プロフィール

基調講演・パネラー内永 ゆか子 氏(うちなが ゆかこ)

NPO法人J-Win(ジャパン・ウィメンズ・イノベイティブ・ネットワーク)理事長
一般社団法人ジャパンダイバーシティネットワーク(JDN)代表理事
(株)グローバリゼーションリサーチインスチチュート(GRI)代表取締役社長

1971年6月  東京大学理学部物理学科卒業
1971年7月  日本アイ・ビー・エム(株)入社。
開発部門を中心に95年取締役、2000年常務取締役、2004年取締役専務執行役員(開発製造担当)等を歴任
2007年4月  定年退職とともにNPO法人J-Winを設立、理事長に就任、現職
2008年4月  (株)ベネッセコーポレーション取締役副会長。ベルリッツコーポレーション代表取締役会長兼社長兼CEO就任
2013年6月  ベネッセ、ベルリッツともに退任。(株)GRI代表取締役社長に
2014年4月  一般社団法人JDN設立。代表理事に就任、現職。現在、イオン(株)、HOYA(株)、DIC(株)の社外取締役
2002年11月  ハーバード・ビジネススクール・クラブ・オブ・ジャパンのビジネス・ステーツウーマン・オブ・ザ・イヤー受賞
2006年10月  米国女性エンジニア協会(SWE)のソサイエティ・オブ・ウィメン・エンジニアズ・アップワード・モビリティ・アワード受賞。
2013年6月  男女共同参画社会づくり功労者内閣総理大臣表彰受賞。
著書に「もっと上手に働きなさい〜誰も教えてくれなかった女性のための仕事ルール〜」(ダイヤモンド社)
「日本企業が欲しがる『グローバル人材』の必須スキル」(朝日新聞出版社)ほか

パネラー荒木 由季子 氏(あらき ゆきこ)

(株)日立製作所 法務・コミュニケーション統括本部CSR・環境戦略本部長 兼ヘルスケア社 ヘルスケア事業本部長

1983年3月  東京大学工学部卒業
1983年4月  通産省入省
以後、資源エネルギー庁、宇宙産業室、米国マサチューセッツ工科大学大学院(政治学科)留学、医療・福祉機器産業室長、博覧会推進室長、新エネルギー対策課長、国土交通省観光経済課長、山形県副知事、生物化学産業課長、2012麗水国際博覧会日本政府代表等を歴任
2012年8月  経済産業省を辞職
2012年12月  (株)日立製作所入社。法務・コミュニケーション統括本部CSR本部長
2014年4月  現職

パネラー漆 紫穂子 氏(うるし しほこ)

品川女子学院校長(1925年から続く中高一貫校・品川女子学院の6代目校長)

1986年3月  早稲田大学国語国文学専攻科修了、都内私立中高一貫校の国語教師に
1989年4月  品川女子学院へ。2006年より現職

同校は1989年からの学校改革により7年間で入学希望者数が60倍に。
現在は「28プロジェクト〜28歳になったときに社会で活躍する女性の育成」を教育の柱に、企業とのコラボレーション、起業体験プログラム等、社会と子どもを繋ぐ学校作りを実践している。
平成26年度スーパーグローバルハイスクールに指定。
2013年6月に行われた世界経済フォーラムの東アジア会議出席。
2014年9月より教育再生実行会議委員。
趣味はトライアスロン。2012年国際トライアスロン連合(ITU)世界選手権スペイン大会において年齢別日本代表。
著書に『伸びる子の育て方』(ダイヤモンド社)、『女の子の未来が輝く子育て』(朝日新聞出版)、『女の子が幸せになる授業』(小学館)、『女の子が幸せになる子育て』(かんき出版)、
品川女子学院のウェブサイトで「校長日記」をほぼ毎日更新
http://diary.shinagawajoshigakuin.jp/fromPrincipal/

モデレーター尾崎 俊哉 氏(おざき としや)

立教大学 経営学部教授 国際経営学科長
(専門:国際経営論、国際政治経済学、各国の経営環境とビジネスシステムの比較制度分析)

1981年  上智大学文学部哲学科卒
1984年  オーストラリア国立大学政治学研究科大学院(LittB)修了
1994年  ジョンズ・ホプキンズ大学高等国際問題研究大学院(MA)修了
2004年  ジョージ・ワシントン大学国際関係論専攻大学院(PhD)修了
1985〜2005年  日本アイ・ビー・エム(株)に勤務
2005年  立教大学教授
2011〜2012年  コペンハーゲン経営大学客員教授

グローバル化のもとでの価値連鎖や産業競争力の再構築、国と産業の制度的比較優位の変遷、ダイバーシティ・マネジメントなどについて国際的な比較分析を行っている。
論文・共著書に、「ビジネスのグローバル化、ダイバーシティ・マネジメントとリーダーシップ」(アラン・バート他編)「入門ビジネス・リーダーシップ」(日本評論社)ほか多数。