2025.11.1 今月のワン🐶【藤原 泉さん】
今回ご紹介するのは、現在(株)キャンディル取締役の藤原 泉さん
公文教育研究会にて障がい児と健常児との合同教育に取り組む。
(株)日本組織マネジメント研究所にて企業の新規事業立ち上げを支援。
2004年にキャンディルグループ入社。2015年より(株)キャンディル取締役に就任(現任)。
持ち株会社の管理管掌取締役としてグループ5社の経営に携わる。週末は仲間たちとゴルフを楽しんでいる。

男女雇用機会均等法元年に働き始め、齢62歳を迎えた私は、今、自民党総裁に初めて女性が選ばれた場面をテレビで見ている。
やっと政治の本流で女性リーダーが登場しそうだ。早いか遅いかの議論はあるにせよ、変化は少しずつ進んでいるが、
私のこれまでの仕事人生では、ネガティブな意味で「女性なのに」という言葉と常に対峙してきた。
現在勤務している(株)キャンディルは、2018年に東証マザーズ市場に上場した。
いざ上場審査に臨む時、主幹事証券の「対応するスピーカーは1人に限定すべき」との指導で、
管理管掌取締役の私が一人ですべての質問に回答することになった。
審査当日、東証の審査官から「女性お一人での対応ですか?珍しいですね」と言われ、
「いまだに『女性で珍しい』と言われちゃうのね」と心の中で苦笑い。
企業経営の重要な場面では、やはり男性が中心という雰囲気は今でも根強く、まだまだこれらと向き合って行くのかと嘆息した。
リーダーシップ111を設立された先輩方は、本当に強いリーダーシップで、国を動かし社会を動かして女性が働く環境を整えてくださった。
そのおかげで、働く女性の裾野は着実に広がっている。「女性なのに」という言葉と対峙する機会も減ってきているはずだ。
しかしながら、今経営の現場で感じることは、若い世代の「職業的な成長意欲・上昇意欲の減退」だ。
管理職志望比率について2000年と2023年の厚労省のデータを比較すると、男性は▲10%程度、女性は+10%程度。
いずれも前向きな数字ではない。環境が整備されたことを思うと女性の意欲がもっと高まっていいはずだ。
もちろん優秀で意欲的な人材はたくさんいるが、平均的な意欲水準が減退傾向にある実感が強く、危機感を募らせている。
私は企業経営者として、多くの従業員を預かっている。彼らの意欲を引き出し、成長の機会を作り出す責任がある。
現状を振り返るとまだまだ努力が足りない。後ろを歩く彼らにどう働き掛けて何を語るべきなのか。
もっともっと考えて、しっかり動かなければとの思いを強くしている。
