EVENT

  1. HOME
  2. EVENT(活動)
  3. 2025.1.4 今月のワン🐶【野村浩子さん】

2025.1.4 今月のワン🐶【野村浩子さん】

今回ご紹介するのは野村浩子さん
ジャーナリスト、日本女性学習財団理事長
1962年生まれ。84年お茶の水女子大学文教育学部卒業。
日経ホーム出版社(現日経BP)発行の「日経WOMAN」編集長、日本初の女性リーダー向け雑誌「日経EW」編集長、
日本経済新聞社・編集委員、淑徳大学教授などを経て、2020年東京家政学院大学特別招聘教授、2024年日本女性学習財団理事長。
財務省・財政制度等審議会、経済産業省・なでしこ銘柄基準等検討委員会など政府、自治体の各種委員を務める。
著書に『市川房枝、そこから続く「長い列」――参政権からジェンダー平等まで』
「異なる人と『対話』する――本気のダイバーシティ経営」「女性リーダーが生まれるとき」など。

「変えていこう、次の10年で」
2024年12月15日に開かれた、リーダーシップ111の30周年記念シンポジウムは、こんな問いかけをテーマとした。
登壇者は、20代から70代まで、歴史研究、教育、経済、社会運動と各分野で活躍している4人。2時間にわたり熱い議論がかわされた。
最初にマイクを握った横山百合子さんは、国立歴史民俗博物館で大きな話題を呼んだ「性差の日本史」のプロジェクト代表で、
現在は同館の名誉教授。台湾の先進的な「ジェンダー平等教育法」を紹介しながら、
学校教材から博物館の展示まで「教材は多元的なジェンダー視点を示さないといけない」と教育の重要性を説く。
続く坂東眞理子さんは、初代の内閣府の男女共同参画局長で、現在は昭和女子大学の総長。
1985年の「男女雇用機会均等法」の制定は、国連の「女子差別撤廃条約」を批准するためだったという「外圧」を解説。
その後法改正を経て、男女均等は努力義務から、差別禁止へと実効性を伴うものになったことが語られ、
法制度がいかに整備されるかを歴史から学んだ。
次にマイクを渡されたキャシー松井さんは、ゴールドマン・サックス証券時代に「ウーマノミクス」を提唱し、
女性活躍推進を経済成長戦略として打ち出した功績を持つ。
現在はベンチャー・キャピタルを率いる。創業者の男女比較をすると、資金調達額平均で女性は男性よりも44%も少ないが、
IPO時の調達額1円あたりの時価総額では、男性創業者を32%も上回るという。
女性創業者への投資がいかに有効かをデータをもって雄弁に語った。
ここまでの3人はLS111の会員。最後にマイクを握った能條桃子さんのみゲスト登壇者で、26歳と最年少。
若い世代の政治参加を促すNO YOUTH NO JAPAN代表理事で、政治分野のジェンダー平等を目指すFIFTYS PROJECT代表。
全国地方議会では男性比率が85%、65歳以上の男性が56%、20代、30代女性は1%未満という図が示されると会場からどよめきが上がった。
議員になるには「子どもを産んでから」という壁がある、被選挙権を18歳以上に引き下げようと訴えた。
パネルディスカッションでは、
「法律を変える人の男女構成を変えるべき、クオータ制の導入を」
「男性が主導権を握る仕組みは、日本ではたかだか150年の歴史しかない」
「影響力を持つ人を運動に巻き込むべき」
といった意見が交わされた。
登壇者らは最後に「歴史は変えられる」「社会を変えるのは、私たち」というエールを会場に贈った。
「社会を変える」ためにどんな行動を起こせばいいのか、たくさんのヒントと勇気をもらったシンポジウムだった。

関連EVENT(活動)