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2025.2.2 今月のワン🐶【村上たかさん】

今回ご紹介するのは村上たかさん
参議院法制局法制次長。35年間、参議院の議員立法の作成(立案)業務に従事してきた。
議員の問題意識や政策に関するアイディアや意向を受け止め、それを法的な視点から整理し、
法体系の中に組み込む方法を考える過程(立法政策の形成)と
それを法律の規定として書き下ろしていく過程(条文化)、どちらにも醍醐味を感じている。

「ルールメイキングのルール」
法律の立案という仕事は一般的ではないため、仕事以外で何か社会の役に立ちたいと思っても機会は少ない。
大学等で「立法学」の講座を担当することはあったが、法学部に進学しない人も含め、
中高生のうちに法的なものの見方を身に付けたり社会問題や政治について
「自分ごと」と捉える感覚を持ってもらうことが大切だと考えるようになり、
この10年ほど、年に数回、中学校の授業の一環で職業体験学習として弁護士事務所に来た
生徒さん達に「立法について」というタイトルでお話をする機会を頂いている。

憲法や法律等の法体系、国会での法律の成立過程、最近注目されている立法等についての話もするが、
一番大切だと思って伝えているのは、法制度に限らず広くルールを作る際の考え方、
いわば「ルールメイキングのルール」だ。
こんなことを伝えている。
・ルール化する目的や必要性をきちんと説明できること
・人権侵害ではないこと(厳し過ぎる規制や不平等な取扱いはNG)
・要件と効果(何をしたらどうなるか)が明確であること
・様々なケースに問題なく適用できること(適用すべきでない場合は除外する)
・適正な手続を経て決定すること(民主的で透明性のある手続をとる、反対意見を吟味する)
・社会の変化に応じアップデートすること
こういう観点から見て、あなたたちの学校の校則はどう?と尋ねると、虚を突かれたようになる生徒さんもいる。
難しいこともあるだろうが、「ルールだから」と唯々諾々と従ったり人に押しつけたりしない、
自分がルールを作る立場になったらしっかり考える、
そんな大人になってほしいと願いながら、帰る生徒さん達の後ろ姿を見送っている。

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